*ストウ著『ロンドン地誌』の約一世紀後に全面的に増補改訂され、70枚におよぶ図版・地図とともに刊行された幻のロンドン百科
*17-18世紀のロンドンに関するレファレンスの決定版
*フォリオ版を折込地図を含め原寸大に復刻、原著の迫力をそのまま再現
■底本
A Survey of the Cities of London and Westminster: containing the Original,
Antiquity, Increase, Modern Estate and Government of those Cities...now
lastly Corrected,
By John STOW, Improved and very much Enlarged by John STRYPE
In Six Books + Appendix+Index + 70 engraved maps and plates
London: Printed for A. Churchill, J. Knapton, R. Knaplock... 1720
■各巻内容■
Volume I: [c.660 pp.]
New Preface by Tetsuya Iseki, Kwassui Women’s College, Nagasaki
Preface by John Strype / Stow’s Epistle Dedicatory / The Life of John Stow
/ A Catalogue of Authors, Records and Manuscripts / A List of Subscribers
Names
The First Book (c.370 pp.): General Description of the City of London, and
Some Account of the Citizens
The Second Book (c.290 pp.): Particular Inspection into the Thirteen Wards
on the East Side of Walbrooke
Volume II: [c. 410 pp.]
The Third Book (c. 290 pp.): Inspection into the Twelve Wards on the West
Side of Walbrooke
The Fourth Book (c.120 pp.): Inspection into the Ward of the Borough of
Southwark, as also into the Suburbs of the City, and the Liberty of the
Dutchy of Lancaster
Volume III: [c.750 pp.]
The Fifth Book (c.460 pp.): Account of the Government of the City
The Sixth Book (c.95 pp.): Account of Westminster
Appendix (c.170 pp.)
Index (c.25 pp.)
●歴史家ストライプ[John Strype, 1643-1737]の手になる、18世紀前半「新ロンドン」地誌。ロンドン大火後、一新された建築や街路、当時の市民生活を生き生きと描き出す第一級のレファレンス。(ストウ[John Stow, 1525-1605]編
纂Survey of London(1598)の大幅増補改訂版)。
●エリザベス朝研究者にとっての「ストウ版」同様、英国17,18世紀文学・歴史研究者必携の第一次資料です。
●原本は極めて稀覯、国内大学図書館での所蔵はNACSIC Webcatでも確認されておりません。
●70枚におよぶ折込地図を含め、フォリオ版を原寸大に再現。原著の迫力を体感してください。
推薦文「ロンドンの歴史を甦らせる」
小林章夫(上智大学英文学科教授)
1598年に出たジョン・ストウ(John Stow)の『ロンドン地誌』(Survey of London)は、エリザベス1世時代のロンドンの状況を知るには一級の資料として常に参照されてきたが、17世紀、特に1666年のロンドン大火以後は、この首都の相貌も大きな変化を遂げ、それを反映した地誌が求められていた。そこでこの改訂版をつくる作業を託す人物として白羽の矢が立ったのが、歴史家として評価の高かったジョン・ストライプ(John
Strype, 1643-1737)である。すでに16世紀から17世紀の優れた人物の伝記、回想録、あるいは年代記などの編纂を手がけていたストライプは、ロンドンの有力ギルドや宗教界の協力を得て、この改訂版づくりの作業に精力を注ぎ、1720年にめでたくこれを完成させる。
できあがったこの改訂版は、もちろんストウの地誌を受け継ぐと同時に、新しい情報をふんだんに収めたもので、そこに含まれる詳細な地図や図版、統計などにより、大きく発展を遂げているロンドンの姿をまざまざと表現するものだった。実際、この新しい地誌を見ることで、18世紀初頭のロンドンがどのような様相を呈していたかが生き生きと伝わってくる。その意味で、都市ロンドンの歴史に関心を持つ人だけでなく、17世紀末から18世紀にかけての歴史、文学に興味を持つ人々には、きわめて優れた情報源となっているのである。
従来、その価値が高く評価されるものの、容易に手に入ることがなかった本書が、こうして復刻版のかたちで甦ったことはうれしい限りであり、イギリス文学、イギリス史を研究する人々に大いに資することとなるに違いない。
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