対象分野:英国18世紀・ロマン主義・ケルト文化・ツーリズム研究 | |||
ウェールズへの旅 〜英国18−19世紀紀行記・案内書復刻集成 全4巻+別冊解説 |
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「連合王国」の周縁にあり独自のルーツを持つウェールズ文化は、同じブリテン島のなかでイングランド文化と複雑に交渉しあいながら共存していますが、英国内でのウェールズへの関心は、18世紀のウェールズ文化復興と期を同じくする英国でのピクチャレスク・ツアーの流行が、景観鑑賞の対象としてウェールズの人気をよび、ウェールズ観光が誕生していった頃に端を発するとされます。この時代ウェールズの知識人やウェールズを訪れたイギリスの作家達は、様々な旅行記や旅行ガイドを執筆、積極的にこの文化復興や観光に関わり、ウェールズの地位向上に貢献します。 今回の集成では、この時代を代表する以下の2種の文献を復刻し、18紀末から19世紀にかけてのウェールズがどのように描かれ、イメージされていったのかを知るための基本史料として提供します。図版を数多く含むこれらの文献は、視覚資料としても価値が高く、研究、教育に広くご利用いただけます。 Volume 1-3 (size: A5) ●1778年から6年を費やし刊行された、トマス・ペナント(1726-98)による大著。初の総合的ウェールズ・ガイドとして知られる最重要文献。死後1810年にロンドンで刊行された新版が、ウェールズ・ガイドの決定版として19世紀を通し利用されたが、今回は、その1810年の版を底本に19世紀の著名なケルト学者ジョン・リーズ(学生の大半がウェールズ人であったオックスフォード大学ジーザス・カレッジの学寮長)が、解説、注釈、付録資料、索引を加え、ウェールズにて1883年に出版した貴重な学究版を復刻。 Volume 4 (size: B5) ●英国の風景画家ヘンリー・ガスティノーが描いたウェールズの100箇所強の名所旧跡に、各地の地理や文化、歴史についての簡潔な解説を加えた、19世紀ウェールズのヴィジュアル版百科。 別冊解説(日本語):森野聡子
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