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分野:日英交流史、英国近世・近代史、18世紀英文学

Japan 1555-1800: A Comprehensive Bibliography of Printed Books in English
日本関連英語文献書誌1555-1800
Edited by Takau Shimada / 島田孝右(元専修大学教授)

 

2012年6月刊行 
□ B5判 約315頁
本体価格:¥24,800 (+税) 
□ ISBN:978-4-86166-147-1

●1800年までに英語で出版された刊本で、日本に関する記述を含む約4,500文献(著者
数約2,270名)を網羅した書誌目録。
●『近世日本関係英国史料集成』全28巻(本の友社)、『日英交流史近世書誌年表』(
ユーリカ・プレス)、『近世日英交流地誌地図年表 1576-1800』(雄松堂出版)等、
日英交流史研究に必携の史資料を纏めてきた編集者の長年にわたる調査、研究の集大成

●これまでの編著書に含まれなかった約3,000点のデータを含み、各文献中の日本関記
述のある頁ナンバーを記す画期的書誌目録。
●巻末の索引により、著者名あるは雑誌タイトルからの調査も可能。
●日英交流史研究を始め、18世紀を中心とした英国近世・近代史や文学研究の基本レフ
ァレンスとしてご利用ください。

◆編者による「まえがき」より…

島田孝右

本書は、『日英交流史近世書誌年表』(Eureka Press)に含まれる日本関係英国史料に、新たに見つかった約3000点の史料を加えたものである。1800年までにイギリスで刊行された各分野の書籍を調査した結果である。大きな特徴として、日本関係の記録が、各史料のどの巻のどの頁にあるかを、ほとんど全て示していることである。そうすることによって、例えば、『ガリバー旅行記』(1726)の中のどこに日本の記述があるかが、容易に見つけることができる。これは、大変な労力の軽減となる。   

日英交流は、実際にはケント出身のウィリアム・アダムズが乗船していたオランダ船リーフデ号が、1600年に豊後の臼杵に漂着した時に始まったと言えよう。彼が徳川家康の家来となったことなどは、多くの研究者が既に研究済みである。しかし、残念なことに、日英関係の研究書、あるいは文献は、これまで数少ない史料をもとにしていたことである。言い換えれば、史料の全体像を見ることなく研究をすすめており、史料が利用されないままであったということである。

1800年以前の史料に限定して言えば、それらを入手することは大変な労力を必要とし、日本人にそれに挑戦し、史料の収集を行った研究者は皆無であった。幕末、明治は別にして、全体的に日本を扱っている史料は、フランソワ・カロンの『日本大王国志』(英訳、1663)、アーノルダス・モンタヌスの『日本誌』(英訳、1670)、エンゲルベルト・ケンペルの『日本誌』(1727)程度で、18世紀以前の日英関係は、これらの史料を利用してきた。そのため、英国に伝わった日本の情報は極めて少なかったという説が優勢であった。あえて言えば、イギリス人は日本については殆ど無知であったという暴論が正論として通用してきたのである。

本書は、約4,530点の史料を扱っている。一か所でも日本への言及や記述があるものを網羅したつもりである。ただし、本書に含めることができなかった史料もあり、それらは将来継続的に収集される必要があり、日英関係の研究者の協力をあおぎたい。一個人で完全な書誌を完成させることは不可能であろう。

本書を利用することによって、従来の日英関係についての先入観を変えさることができるとは断定できないが、少なくとも新しい視点からの日英関係論が生まれてくる可能性はあると信じている。そして、1800年までの日本にかんするイギリス人の認識と幕末明治、そしてその後の彼らの認識が比較でき、また繋がると考えられよう。