●オスカー・ワイルドの母親J・F・ワイルド、アイルランド詩人D・F・マッカーシーらの編著書8点を収録
●イェーツ、ジョイスなどアイルランド文学やケルト文化、英国ロマン派文学の研究資料
■内容明細■
Vol.
1 & 2:
Wilde, Jane Francesca
Ancient Legends, Mystic Charms and Superstitions of Ireland,
with Sketches of the Irish Past, to which is appended
'The Ancient Race of Ireland', 2 vols.
(1887), viii, 280pp.; viii, 369.
オスカー・ワイルドの母親(Lady
Jane Francesca Wilde 1826-1896)の編集による、神話や迷信集。動物、聖人、妖精など取り扱うテーマ別に小話が数多く集められている。
Sir William Wild(ワイルドの父)著のアイルランド民族に関するエッセイを付録。
Vol.
3:
Wilde, Jane Francesca
Ancient Cures, Charms and Usages of Ireland: contributions
to Irish Lore (1890), xi, 256pp.
前述書の続編として出版されたもの。アイルランドで病気治療に用いられた民間療法や魔法を集めている。おたふく風邪、黄疸、喘息といった特定の病の治療法から、一般的な迷信やことわざ、妖精や魔女の力、死を告げるバンシーや農民達の間で伝承する死者の物語等々、様々なトピックが対象となっている。
Vol
4:
O'Hanlon, John, Irish Local Legends (1896), viii, 168pp.
アイルランド聖人伝の著者として著名なオハンロン(John
O'Hanlon 1821-1905)が編集した神話集。(オハンロンの別著作「アイルランド移民の語るアメリカ史」も小社より近日復刻予定。)
Hunt,
B., Folk Tales of Breffny (1912), viii, 196pp.
一人のアイルランド老人が語る昔話を収録したハント編の民話集
Vol.
5:
McCall, P J, The Fenian nights' entertainments, being
a series of Ossianic Legends told at a Wexford Fireside
(1897) xi, 132 pp.
McCall, P J, Pulse of the bards (1904) 160 pp.
ダブリン文学協会の創設メンバーだったマコール編による2著。特に第1書は農民の間の伝承をいきいきと伝える作品として絶賛された。
Vol
6:
Adams, John Quincy, Dermot MacMorrogh, or the Conquest
of Ireland: an Historical Tale of the Twelfth Century.
In four cantos, (1834), 108 pp.
アメリカ第6代大統領アダムスが韻文のスタイルで発表した、12世紀のアングロ・ノルマンによるアイルランド征服の叙事詩。アメリカ人によるアイルランドに関するはじめての書物とされている。
MacCarthy,
Denis Florence, Book of Irish Ballads (1846) 256 pp.
100点に上るアイルランドのバラッドを収録した本書は、編者自らが語るように英語を使いながらも、アイルランドがその固有の文化をいかに確立し、世界に発信できるかを示した。
■関連書ご案内■
英国妖精文学:19世紀文献集成シリーズ
Series: Victorian Sources of Fairy Tales
Edited and Introduced by Robert Gilbert
●ロマン派文学とともに復興した妖精文学の19世紀文献復刻集
●「研究書」集成と「物語集」(第1,2集)の合計3セット(全15巻)
●リプリントなどで手に入りにくい文献を中心に選書
●児童文学、中世文学、シェイクスピア研究など英文学の様々な分野で利用できる文献集
■第1集:研究書集成■
Pt. 1: A Collection of Researches
2002年10月刊行
本体セット価 \98,000- 4-901481-32-0
●内容明細●
Vol. 1: Joseph Ritson, Fairy Tales, now first collected:
to which are prefixed
Two Dissertations: On Pygmies; On Fairies (1831), 212pp.
Ritson
(1752-1803)はスコットランドに生まれ、後に弁護士の資格を得てロンドンに移住。中世の歌謡や民話の収集家として著名で、A
Select Collection of English Songsや、 Robin Hood に関する詩歌集でBewickの挿画が美しい
Ancient English Metrical Romances 、12-16世紀の英詩書誌Bibliographia
Poetica 等の著作、そして Percy のReliques を激しく攻撃したことでも英文学史に名を残している。本書は、英国だけでなくヨーロッパ全体の文学における妖精のタイプとその行動の典型をあらわす物語や小歌のサンプル集と、著者の論文2点をまとめたもの。著者の生前に出版されることはなかったが、Walter
Scottの高い評価とともに1830年代に入り公刊された。このことからも、19世紀前半の妖精研究への急速な関心の高まりがわかる。
Vol.
2: James Orchard Halliwell-Phillipps, Illustrations of
the Fairy
Mythology of A Midsummer Night's Dream (Shakespeare Society,
1845), 319pp.
Halliwell-Phillips
は19世紀イギリスを代表するシェイクスピア学者。主著に全2巻のOutlines of the Life of
Shakespeareがある他、Shakespeare全集の復刻、古劇、古語に関する辞書などの編集に携わった。本書で著者は、妖精文学の形成と英国社会での認知におけるシェイクスピアの役割を詳細に考察すると同時に、表象文化としての妖精をヨーロッパ全体を含め論じている。
Vol.
3: John Thackray Bunce, Fairy Tales, Their Origin and
Meaning, with Some Account of Dwellers in Fairyland (1878),
214pp.
著者はBirmingham
Post誌の編集長で、英国ラファエロ前派的作品を残した画家Kate Elizabeth Bunce の父。19世紀後半になり盛んになった民俗学的アプローチで妖精を研究した代表的著作。妖精文化の起源や特徴をアーリヤ文化、ゲルマン・北欧文化、ケルト文化等に分類し、系統的に分析している。
Vol.
4: Edwin Sidney Hartland, The Science of Fairy Tales,
An Inquiry into Fairy Mythology (1891), 380pp.
英国の古き文化の収集と保存を目的に設立されたSociety
of Antiquaries の会員であった著者は、妖精物語や民話を収集したEnglish Fairy and
other Folk Tales (1893) 編者として知られる。本書はその編集と並行執筆された研究書。妖精神話の真髄を、妖精の超自然的行動タイプの分析とともに語っているが、それよりも"Fairy
Births and Human Midwives"などの章に展開されている、人間と妖精間の相互作用に関する深い考察は特筆される。
Vol.
5: David MacRitchie, The Testimony of Tradition (1890),
216pp + 20 drawings,
David MacRitchie, Fians, Fairies and Picts (1893), 78pp
+ 21 plates
'Ancient
and Modern Britons'という著書もあるMacRitchieは、人類学的理論をもちい、人々の記憶に深く眠る失われた民族(例えば小人族)への記憶が妖精文学(例えば一寸法師)を産むと説いた。この考えそのものは19世紀初頭にWalter
Scottが広めたものに近く、それを約100年後に復活、展開させたものとも言えるが、彼の研究は、John BuchanのスリラーやArthur
Machenの神秘的作品など、同時代の小説家に少なからぬ影響を与え、19世紀末英国の妖精学を代表するものとなった。
■第2集:物語集第1期
全5巻■
Pt.2 A Collection of Stories (A)
2003年1月刊行 本体セット価:\98,000- ISBN:4-901481-33-9
●内容明細●
Volume 1
General Introduction by Robert A. Gilbert
Fairy Tales, or, The Court of Oberon: containing thirteen
choice pieces / by the celebrated Queen Mab, Mother Goose,
Mother Bunch, Master Puck, and other distinguished personages...
(1824) 180pp
Charles Lamb, Beauty and the Beast (1887), 42pp
Charles Lamb, Prince Dorus (1887), 31pp
シェイクスピア戯曲にも登場するマブ女王や妖精パックを主人公とする13の物語集とチャールズ・ラム版絵入「美女と野獣(アンドリュー・ラングの序文付)」と「プリンス・ドラス」を収録。
Volume
2
Anthony Hamilton, Fairy Tales and Romances (1849), 562pp
アントニー・ハミルトンによる18世紀妖精物語の選集。
Volume
3
Mrs D.M. Craik, The Fairy Book. The best popular fairy
stories selected and rendered anew (1863), 380pp
「ブラウニーの冒険」の作者ダイナ・マライア・クレイクによる子供向けの妖精物語集。31の昔話が彼女の手により書き直されている。
Volume
4
George MacDonald, Dealings with the Fairies (1867), 308pp
子供と大人両方向けのファンタジー作家として、19世紀を代表するジョージ・マクドナルドのオリジナル妖精物語集。作者はラスキンやルイス・キャロルとも親交、その作品はC.
S. ルイスの「ナルニア国物語」にも大きな影響を与えた。
Volume
5
E.H. Knatchbull-Hugessen [Lord Brabourne], Friends and
Foes from Fairyland (1886), 338pp
「チャーリーと妖精たち」の作者エドワード・H・ナッチブル=ヒューゲッセンによるオリジナル物語3作。当時大変人気のあった作品集。
■第3回配本(完結編)■
第3集:物語集第2期 全5巻
Victorian Sources of Fairy Tales: Pt.2 A Collection of
Stories (B)
編・序: Robert A. Gilbert
2004年刊行予定 予定価格:\98,000 (本体セット)ISBN:4-901481-34-7(物語集第2期ではクルックシャンクのFairy
Libraryやナッチブル=ヒューゲッセンにMonnshineなどを収録する予定です。詳細はお問い合わせください。)
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