西欧のアラブ学研究の基盤となったVictor
Chauvin (1844-1913)の書誌の復刻です。編者はベルギーのリエージュ大学でアラビア語とヘブライ語の教鞭をとった19世紀末のオリエンタリストで、中東の文学、民話や歴史に関する数多くの著作を残しました。この書誌は彼が10年以上の歳月をかけ編纂し、ドイツ東洋学協会とフランスアジア協会の協賛で出版されたもので、いくつかの学会賞を受賞した19世紀ヨーロッパアラブ・イスラーム学の金字塔ともよべる文献です。
1810年から1885年の間にヨーロッパ言語で発表された文献の包括的書誌で、翻訳書から研究書にいたるまでテーマ別に12巻(本復刻は全6巻に合本)に編集、編者の詳しい注釈も含まれています。前半は千夜一夜物語などアラビア文学や民話、後半がコーランなどイスラーム宗教に関する文献書誌という構成になっています。また、先行書誌で1505年から1810年の文献の書誌である、Schnurrer編‘The
Bibliotheca arabica' (1811年刊)への索引も掲載されているため、19世紀末までのヨーロッパのアラブ関連文献のほぼ全ての調査・検索に活用できます。
アラビア文学・言語、イスラーム研究、そしてオリエンタリズム、東西比較文化研究の資料として、どうぞ大学図書館にお揃えください。
■各巻明細■
Volume 1
Table de Schnurrer
Les proverbes
Kalilah
Louqmane et les fabulistes
Barlaam
'Antar et les romans de chevalerie
Volume 2
Les Mille et une nuits, parts 1-2
Volume 3
Les Mille et une nuits, parts 3-4
Volume 4
Syntipas
Pierre Alphonse
Secundus
Recueils orientaux
Tables de Henning et de Mardrus
Contes occidentaux
Les maqames
*第1-4巻は中世アラビア文学、民話、言語に関する書誌。アラビア文学にあらわれた主題のペルシャ、インドなどその他の国々での変容に関しても言及している。
Volume 5
Le Coran et la tradition
Mahomet
Volume 6
Le Mahometisme
*第5-6巻はコーランやイスラムのあらゆる側面に関する書誌。
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