本書はケルト時代から18世紀末までの英国における衣装の歴史を扱い、1846年の初版以降1909年まで版を重ねた古典的名著です。著者のフェアホルトは服装学者、美術史家であるとともに、19世紀に活躍した著名な木版挿し絵画家でもありました。
今回復刻される第4版は著者の死後H. A. Dillonにより増補された決定版で、第1巻に服飾の歴史を、第2巻には用語の解説という2部構成でなっています。800ページに及ぶ充実した実証的記述に700点の挿図が付されており、挿し絵画家フェアホルトの面目躍如ともいえる渾身の著作であります。
フェアホルトは1850-60年代に刊行されたシェイクスピア全集に多くの木版図版を施したことでも知られ、彼の図版コレクションは、現在ストラトフォードのシェイクスピア・センターに所蔵されています。このように本書は、服飾史のみならずシェイクスピアを始めとする英国演劇上演の衣装考証にも利用価値の高い文献です。
後世の研究家に多大の感銘と指針を与えた本書を、英国研究に携わる全ての方々にお薦めいたします。
本書の特色
●英国服飾史の最重要文献
●700点以上の図版で、視覚的かつ実証的に解説
●英国社会史、文学史、美術史など多分野のレファレンスとして利用可能
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