幕末維新期には、西洋列強諸国から条約締結をもとめる使節団が次々と日本、アジアに送られました。各使節団はエルギン卿遣日使節記、ペリー艦隊遠征記などに代表される公式記録を残し、これらは現在でも、開国期の日本や東アジアの史料、東西交流史、国際関係史研究の最も重要な文献として高く評価されています。
本書は1860-62年にプロイセンが莫大な予算を投じて送り出した東アジア・日本への使節団の公式記録です。この遠征に関する文献は、参加メンバーによる回想録など様々な形で残されていますが、プロイセン政府の公式記録として編集されたものは本書のみで、最も詳細かつ権威ある文献です。シンガポールから江戸へ向かう航海、幕末期の日本の気候、風土、宗教、文化、芸術に関する記述、訪れた江戸、横浜、長崎での民衆や居留地での外国人の生活など、当時の日本社会や日常に関し、実に細部にまで記述されています。遠征団は日本との条約締結を果たしますが、条約締結にいたる折衝の報告や、交渉を通して観察、分析された日本の政治情勢の報告には、幕府の崩壊とその後の明治政府成立の予言も含まれており、幕末維新期の史料としての価値を高めています。
原本は稀覯書で、古書でも入手は困難です。この復刻版を是非お買い求めください。
関連書ご案内
国際東洋学者会議ベルリン大会(1881 年)会議録 全3巻 復刻版
Verhandlungen des fuenften internationalen Orientalisten
Congress gehalten zu Berlin im September 1881
全1258頁
本体セット価:¥72,000
ISBN 4-931444-18-0
1873年パリで始まった国際東洋学者会議の初めてのドイツでの大会の記録、論文集。19世紀ドイツ、ヨーロッパの日本・アジア学の叡智の結集。
|